山陽新聞で連載を担当しているコラム「一日一題」、今回は第4回目の記事をご紹介します。最後にはブログ限定の小話も書いていますので、併せてお楽しみくださいね^^
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モヤモヤは次への合図
娘が生まれ、復職して半年ほどたった頃のことです。それまでの私は、自分のペースで仕事を進めることができていました。集中して切りのよいところで仕事を終え、すっきりと一日を終える。それが当たり前でした。
けれど、復職後は違いました。保育園のお迎えの時間になれば、仕事は途中でも切り上げなければなりません。「あと、このメールを1通返信したら切りよく終われるのに」。そんな小さな“やり残し”が、毎日のように積み重なっていきました。
家に帰れば、家事・育児が始まります。夕食の準備や娘の世話をしながら、頭の片隅ではやり残した仕事のことが気になり、娘の話を聞いていてもどこか上の空。仕事のことも家庭のことも中途半端に感じていました。
寝かしつけの後、オンラインの勉強会に参加しようとしても、気づけば娘と一緒に寝落ちしてしまい、そのまま無断で欠席。これまでなら考えられない失敗に、自分に対してガッカリすることも少なからずありました。自分の時間を自分でコントロールできていない。大きな問題があるわけではないけれど、どこかがずっとずれている。そんなモヤモヤを抱えながら毎日を過ごしていました。
2017年1月初め、中国銀行の本店を訪れました。娘のお年玉を預けようとしたカウンターで、1枚のポスターが目に入ります。「岡山イノベーションスクール」開講の案内です。今の状況を何とか変えたいと思っていた私には、それが突破口のように思えました。すぐに窓口で詳しい話を聞き、スクールに応募することを決めました。
今振り返ると、あの時感じていた違和感が、次の一歩につながっていたのだと思います。違和感は、間違いのサインではなく、新しい道があることを知らせてくれる合図です。 あなたが感じているモヤモヤも、大事にしていいのかもしれません。そこに、次のヒントが隠れていることもあります。
2026.4.23
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メイキングエピソード:
第3回でお伝えした、ベネッセに入社したときの思い「イキイキと働く母親になりたい」を実現するのは…そんなに甘くなかった、という話です。紙面では「モヤモヤ」と表現していますが、正直当時はかなりキツかったです。
復職して半年後に管理職の打診を受け、嬉しさもありながら挑戦を決めました。ただ実際は、初めての管理職でマネジメントのツボが分からない。また、新しい部署で仕事の全体像も分からない。海外パートナーとやり取りする必要があるが英語も分からない。さらに17時には保育園のお迎えで仕事は強制終了し時間がない。ないない尽くしで、メンバーに的確なサポートやアドバイスがほとんどできず、一生懸命やっているのに、誰の役にも立てていないような感覚がありました。
職場はワーキングマザーに対して理解があり、夫は家庭のことに協力的、子どもも元気で急な呼び出しもほとんどない。環境的に恵まれていたと思います。でも苦しかった。
振り返ると、苦しかった理由は自分や期待されている役割に対する理解不足や、働き方がアップデートできていないことにありました。何を求められているのか分からないまま頑張り続けていた、いわゆる空回りですね。 今ならあの時の私に色んな知恵を授けられます。研修講師として日々お伝えしている内容は、ある意味あの頃の私に向けて話しているのかもしれません。





